色を見ることは、宝石や鉱物のいちばん簡単な見分け方だ。
しかし、空気にさらすと変色する銀のように、ほかの物質にふれることで色がかわるものもある。
また、石英やトルマリンのように、さまざまな色をもつ鉱物もある。
そのため、色を見るときには透明度についても調べておこう。

透明度
不透明 半透明 透明
中がすけて見えないこと 光は通すが、その石の向こう側はよく見えないこと 光を通し、その石の向こう側もすけて見えること

光沢とは、宝石や鉱物表面のかがやきのこと。その種類はいろいろあり、
鉱物学者は次のようなよび方を使っている。

金属光沢 不透明で光をまったく通さない、金属のような光沢。
非金属光沢 透明感があって光を通すもの。下の6つの種類に分けられる。

ガラス光沢
ガラスのような光り方。いちばん数が多い

ダイヤモンド光沢
ダイヤモンドのような光り方

樹脂光沢
なめらかであたたかみのある光り方

真珠光沢
真珠のようなやさしい光り方

絹糸光沢
絹の糸の束のように光がうつりかわって見える光り方

脂肪光沢
あぶらぎってぬるぬるした光り方

鉱物のなかには、紫外線を当てるとはっきり目に見える光をだすものがある。これを蛍光とよぶ。
条痕とは、宝石や鉱物が粉末になったときあらわれる色のこと。
白い素焼きの陶板(条痕板)の上でこするとあらわれる。
茶わんや小皿のうら側を使ってもいい。
鉱物は、元素の化学的な結合の仕方によって、おもに次の11のグループに分けることができる。

ヒ酸塩鉱物
ヒ酸塩鉱物は、金属元素がヒ素、酸素とむすびついてできるもの。あざやかな色のとても細かい結晶になる。多くが殺虫剤、除草剤、木材防腐剤などの工業目的に使われている。

元素鉱物
ほかの元素と化合していない状態の鉱物を、元素鉱物とよぶ。元素鉱物は金属、非金属の2つに大きく分けられる。金属は金、銀、鉄、ヒ素、ビスマス、アンチモンなど。非金属は、硫黄、炭素などだ。

ホウ酸塩鉱物
ホウ素や酸素と、金属がむすびついてできるのが、ホウ酸塩鉱物。防腐剤、ガラスビーズ、エナメル、磁器などに利用される。

硫酸塩鉱物
いくつかの金属元素が、硫黄や酸素とむすびついてできる鉱物。約130種類の鉱物が、このグループにふくまれる。代表的なのは石膏で、建設業にはかかせないものだ。

燐酸塩鉱物
金属元素が燐や酸素とむすびついてできる燐酸塩鉱物は、200種類以上ある。そのひとつ、燐灰ウラン鉱は、放射性のある燐酸塩鉱物だ。また、燐灰石は、化学肥料に使われている。

硫化鉱物
金属が硫黄とむすびついてできるもの。この仲間には300種類以上の鉱物があり、多くが金属のかがやきをもち、おもしろい形の結晶をしている。また、電気をよく通す性質もある。

炭酸塩鉱物
金属と炭酸がむすびついてできる炭酸塩鉱物は、200種類をこえる。方解石、あられ石、苦灰石などがその仲間で、泡をたてながら酸にとけるものがある。ビルや道路建設からチューインガム、抗生物質などまで幅広く利用されている。

酸化鉱物
金属元素または非金属元素が、酸素とむすびついてできる鉱物。石英は、地面の上でとれる酸化鉱物の代表的なものだ。また、赤鉄鉱を粉末にしたものは、みがき粉や赤い塗料に使われている。

ハロゲン化鉱物
ハロゲンガス(臭素、塩素、フッ素、ヨウ素)と、金属元素(アルミニウム、カルシウム、銅、鉛、マグネシウム、カリウム)とがむすびついてできた鉱物で、約100種類の仲間がある。ハロゲン化鉱物はやわらかいのがふつうで、蛍石と岩塩は、その代表例。蛍石はフッ化水素酸をつくるのに利用されるほか、プラスチックや光学の分野で大事な役割をはたしている。また、岩塩は食塩のおもな原料になる。

水酸化鉱物
水酸化鉱物は、金属元素が水素と酸素からできている水、または水酸基とむすびつくことによってつくられる。とてもやわらかいものが多く、ボーキサイトやリモナイトはその代表。ボーキサイトからは、アルミニウムをつくっている。

ケイ酸塩鉱物
金属とケイ素、酸素がむすびついてできた鉱物。いろいろな鉱物をふくむいちばん大きなグループで、600種類以上もある。長石、雲母、透角閃石、葉蝋石などが代表。緑柱石、ひすい、電気石などのめずらしいジェムストーンもこの仲間だ。透角閃石は化学濾過材、長石は研磨剤や塗料、ガラス、セラミック、白雲母は絶縁材など、広く利用されている。

結晶は、次の6つに大きく分けられる。

等軸晶系
サイコロのように、基本的に三辺(長さ・幅・高さ)が同じ六面でできた立方体の形。八〜十二面体になることもあるが、基本は立方体だ。例/黄鉄鉱、塩

単斜晶
ほかの晶系のように、同じ長さの辺でできた面をもたないもの。いちばんよくある形。例/石膏

三斜晶系
同じ長さの辺でできた面も、直角のある面もない。対称にならない形。例/斧石

正方晶系
サイコロを長くのばしたような形。互いに直角になる三面があり、そのうち二面は三辺が等しい。例/ベスブ石

斜方晶系
テーブルのように平らな形。三面は等しくないが、互いに直角になっている。
例/重晶石

六方晶系
六角形や三角形を基本の形にしている。六角柱状の水晶は、代表的な形である。例/緑柱石、水晶

宝石や鉱物がほりだされたときにどんな形かをあらわす言葉では、次のようなものが代表的だ。

針状
針のようにとがった形

刀身状
ナイフのような平べったい形

樹枝状
木のように枝分かれした形

層状
うすく平らな層の重なった形

塊状
いろいろな大きさのかたまりになる形

腎臓状
人間の腎臓のような形

金属とケイ素、酸素がむすびついてできた鉱物。いろいろな鉱物をふくむいちばん大きなグループで、600種類以上もある。長石、雲母、透角閃石、葉蝋石などが代表。緑柱石、ひすい、電気石などのめずらしいジェムストーンもこの仲間だ。透角閃石は化学濾過材、長石は研磨剤や塗料、ガラス、セラミック、白雲母は絶縁材など、広く利用されている。
鉱物がいちばん弱い方向にそろって規則的にわれること。
どのくらいわれるかは鉱物によってちがい、完全・明瞭・不明瞭・なしの4つのタイプに分けられている。
断口と劈開の両方が見られるものも、断口だけのものもある。
鉱物をハンマーなどでたたくとわれる。その形は断口とよばれ、凹凸、貝殻状、多片状、針状など、いろいろな言葉でよばれている。
比重とは、同じ量の水とくらべたときの鉱物の重さをあらわしたもの。 たとえば、アレキサンドライトは比重3.73だが、これは水の3.73倍の重さということである。
1812年、ドイツの鉱物学者フリードリッヒ・モースは、鉱物のかたさを1〜10に分けた。 どの鉱物も、鉱物どうしをこすりあわせたりひっかいたりすることでどちらがかたいかがわかり、かたさのレベルが10段階のどこなのかを知ることができる。 それをモース・スケールという。 硬度は身のまわりにあるものを目安にして知ることもできる。たとえば、人間の爪の硬度は約2.5、硬貨は約3.5、ナイフの刃は約5.5である。

モース・スケール
1 もっともやわらかい鉱物。つるつるした手ざわり。

滑石
2 爪でなんとか傷がつく。

石膏
3 硬貨でこするとなんとか傷がつく。

方解石
4  ナイフの刃で簡単に傷がつく。

蛍石
5 ナイフでなんとか傷がつく。

燐灰石
6 ナイフの刃がいたむ。

正長石
7 こすりあわせるとガラス、鋼鉄、銅などに傷がつく。

石英
8 こすりあわせると、石英に傷がつく。

トパーズ
9  石英にもトパーズにも傷がつくかたさ。炭化ケイ素などの人造製品もかたさは同じだが、化学的にはちがうものだ。

コランダム
10 あらゆる物質のなかでいちばんかたい。工業用としてほかの物質を切ったりみがいたりするのに、よく利用されている。

ダイヤモンド